guteki’s blog

愚適庵の日文美術館

 自作の、詩集・小説・随想など、一文をわざと長くしたり、逆に短文にしたり、形式段落を長大にしたり、訳の分からない文体にしたり、
色々に描いたものを展示しています。

2018-06-06から1日間の記事一覧

小説 近代詩の消長

『近代詩の消長』 序章 出会い ナラ公園の縁(へり)の、割と深い側溝の縁(ふち)にしゃがんで。危ない!今にも頭から落ち込んでしまいそう……。そんな具合で中を覗いている白髪頭の爺さんがおった。「じいさん、大丈夫けー、危ないがな」と走り寄ると、「心配す…

随想 心のこころ

随想 心のこころ 一 自明の心・不明のこころ 人は皆、誰もが心を持っている。それは自明である。「心無い」と言われる人も「人で無し」という「心」を持っている。この心の存在は、科学的に証明できない。物質的には、心は存在しないとされる。だが、人は誰…

小説 思弁とエポケー

『思弁とエポケー』 イントロダクション 人間の認識機能は、一般に「理性」と「感性」の両輪によって成り立っていると言われる。これに数学者の岡潔は「信解(しんげ)」という認識機能を最上のものとして付け加えた。前二者に倣って言えば「信性」と言うこ…