guteki’s blog

愚適庵の日文美術館

 自作の、詩集・小説・随想など、一文をわざと長くしたり、逆に短文にしたり、形式段落を長大にしたり、訳の分からない文体にしたり、
色々に描いたものを展示しています。

詩集 こくいー

序 禅の公案を素材に、それに引き摺られながら蜘蛛が吐き出す糸のように文字にしたもの。固より禅とは直接の関わりはなく、現代詩の仙人と称せられた西脇順三郎が禅問答に超現実的な面白みを感じて詩に通じている所がある、とどこかで書いていたのを真に受け…

詩集 はかもは

「あのおー、エットォー」 「ンコ坐り」 「坐り込み」 「リュックサック」 「山姥ギャル」 「汚ギャル」 「ズータドータ」 「けーたいー」 「じーんず」 「いやホーン」 「ボーシ」 「わかるまで、帰しません。」 ーー今時の塾の釣書ーー 「持ち込み」 「お…

小説 近代詩の消長

『近代詩の消長』 序章 出会い ナラ公園の縁(へり)の、割と深い側溝の縁(ふち)にしゃがんで。危ない!今にも頭から落ち込んでしまいそう……。そんな具合で中を覗いている白髪頭の爺さんがおった。「じいさん、大丈夫けー、危ないがな」と走り寄ると、「心配す…

随想 心のこころ

随想 心のこころ 一 自明の心・不明のこころ 人は皆、誰もが心を持っている。それは自明である。「心無い」と言われる人も「人で無し」という「心」を持っている。この心の存在は、科学的に証明できない。物質的には、心は存在しないとされる。だが、人は誰…

小説 思弁とエポケー

『思弁とエポケー』 イントロダクション 人間の認識機能は、一般に「理性」と「感性」の両輪によって成り立っていると言われる。これに数学者の岡潔は「信解(しんげ)」という認識機能を最上のものとして付け加えた。前二者に倣って言えば「信性」と言うこ…